【ミニ掃除機自作】遠心ファン複製【その3】
ミニ掃除機自作の3回目です。今回はシリコーン型で遠心ファンの複製をやります。
遠心ファンについては、イチからの自作はしないで、元にしているハンディクリーナのファンをそのままシリコーン型で複製することにしました。シリコーン型での複製の練習も兼ねてます(というかぶっちゃけこちらが本命だったりするのですがw)。
遠心ファンのシリコーン型取りは以前の記事で紹介しました。
初回のレジン注入の実験で、うまく気泡が抜けないという問題があったので、4つほど大きな穴を追加であけて、気泡が抜けやすくしました。
以下は注入の様子です。
以下がシリコーン型から取り出した、レジンキャストによる複製品です。外観を似せようと思って、ホワイトのレジンキャストに黒色のトナーを混ぜています。
右が元にしているハンディクリーナのファン。左が複製品です。自分でもこんなにそっくりになるとは思わなくて、ちょっとビビりました。
ただ裏面は、空気抜け用の穴もそのまま複製されてしまっているので、4ヶ所に大きな凸ができています。
この凸は、ニッパーとナイフとやすりで平らに加工しました。レジンキャストがもともとやわらかいので結構簡単に削れます。
それから、モーターの軸を挿す穴も潰れてしまっているので、改めてドリルで穴をあけ直しました。
前回作製したアクリル板と合わせてみました。これで遠心ファンは完成です。まあ悪くはないかな。本当はもっと、ファンと上下の板をぴったり合わせたいのですが、ファン自体がそれほどまっすぐとは言い難いし、とりあえずの動作を確認するには十分でしょう。
次回は、ポリ容器の加工をやります。
【ミニ掃除機自作】アクリル板削り出し【その2】
ミニ掃除機自作の2回目です。今回はCNCフライスでアクリル板の削り出しをやります。
まず、ほしい形を二次元CADで描きます。
円盤にM3のネジを通すためのいくつかの貫通穴を空けた形です。
CADで描いた形状をDXFファイルで書き出し、CAMソフトにとり込みます。
CAMソフトは、「Cut2D」を使っています。有料なのですが、さすがに有料だけあって、わかりやすくて便利です。初心者向けで、必要十分な機能がそろっているというか、まあ業務向けのものを使ったことないので、比較のしようがないですが。
これは、「工具経路プレビュー」といって、仕上がりの予想図が確認できます。正直これなしだとうまくいく気がしないですね。
次に、CAMソフトからGコードを書き出し、CNCフライスのコントローラ付属の「USBCNC」というソフトにとり込みます。KitMill RDに付属しているソフトなのですが、ここらへんをオリジナルマインドさんがワンパッケージにしてくれているので、あまり難しいことを考えなくても、ボタン一つで問題なく動いてくれます。世の中便利になったものです。
写真は、USBCNCにGコードをとり込んだ図です。
アクリル板を両面テープで固定して、準備完了。
後はCNCフライスが自動で削ってくれます。うおお、ガンガン削れるぜ(屮゜Д゜)屮。
ちなみに、途中で一度工具を取り替えています。円盤の内周と外周はφ3のエンドミル、貫通穴はφ2のエンドミルで削っています。
仕上がりが近い状態。削りカスが半端ないですね。集塵機が調子悪くて、スイッチを切っているので、普段はもうちょっとマシなんですが。
じゃ~ん、削れました。削りきれていない部分もあるので、この後デザインナイフなどでキレイに整えます。
これで完成です。
仮組みしてみました。図面で想定した通りにぴったりおさまると、気持ちがいいんですよね。これがCNCフライスのうれしいところ。
次回は、遠心ファンの複製をやります。
【ミニ掃除機自作】ハンディクリーナーをリスペクトするよ【その1】
以前、掃除機をつくりたいという記事を書いたと思いますが、
その一環で、ハンディークリーナーをリバースエンジニアリングします。リバースエンジニアリングと言うと、なんかカッコいいですが、要するにパクリます。いやパクるというと、やっぱり語弊があるな。リスペクトです、リスペクトと呼びましょう。
今回のリスペクト対象のWave社の卓上ハンディクリーナーです。
外観はマウスより2回り大きいサイズ。
Amazonなどを検索してみると、てんとう虫タイプとかキノコタイプとか似たようなものがたくさんあります。
裏面はこんな感じで、真ん中の穴からゴミを吸い取ります。ブラシが放射上についており、クリーナーの底面と机が接触しないようにスペーサーの役割を果たしています。
ちなみに、裏面にはDIADEMの文字があります。Wave社は模型メーカーなので、DIADEM社がクリーナーを作製し、Wave社が代理店のようなことをしているのかな? この辺の事情はよくわかりませんでした。
底面のフタを外すとこんな感じ。
さらに中フタを外すとこんな感じ。遠心ファンが取り付けてあります。びっくりするほどシンプルな構造です。自分はこういうできるだけ無駄を省いたシンプルな設計には、本当にリスペクトを感じます。
全部で4つの部品に分かれます。
集塵の原理を言葉で説明するのは難しかったので、図を用意しました。
ザックリですが、まあこれで、なんとなく理解していただけるかと。
今回はあまり難しいことを考えず、この構造をマネして、似たような構造をありものの材料で組み立てます。以下が自分が書いた設計図です。
寸法は結構違うものになっていますが、ザックリとした構造は一緒のつもりです。
次回は、アクリル板の加工をやります。
【量子力学】量子力学がわけが分からないたった一つの理由
はじめに
実をいうと自分は、その昔、量子力学に人生をかけていた時期がありました。
今思えばあんなやり方でうまくいくはずがないのですが、そのころの自分は自分なりに必死でした。
結局、挫折してしまったのですが、やっぱりどうしてもあきらめきれないという思いがあります。というかもはやライフワークですね。たまに思い出したように量子力学のことをずっと考えている時期があって、まあ結局「やっぱりわからねえ!」という、結論に至るのですが・・・。
というわけで、このブログでも時間がかかると思いますが、ぼちぼち量子力学の話もしていきたいなと考えております。
量子力学のわけが分からなさについて
量子力学というのは、物理学の基礎理論なのですが、わけが分からないことで定評があります。
物理学の基礎理論というと、「相対性理論」と「量子力学」というのが2大巨頭なのですが、相対性理論の方が圧倒的な人気があります。
「時間が遅れる」とか、「空間と時間を合わせた4次元を考えなければいけない」とか、「ブラックホールを予言した」とか、不可思議で面白い話題がたくさんあります。
量子力学も不可思議さで負けていません。というか、不可思議さで比べたら、圧倒的に量子力学に軍配があがります。それなのに全く人気がありません。
なぜかといえば、それはそもそも「何がわからないのかわからない」ために、何を不可思議と感じればいいのかすら、よくわからないことにあります。
「状態はベクトルで表される」とか、「量子は波であり、かつ粒子である」とか、「猫は観測されるまで、生きているか死んでいるか分からない」とか、不可思議さを感じる前に、そもそも何を言っているのかわかりません。
なぜこんな状態になってしまったのか? 物理学者は何をやっていたのか? もっとやさしく解説すればいいのに、とか思ってしまいますが、それは残念ながらできないのです。なぜか? その理由は単純明快です。
物理学者も、量子力学についてわけが分かっていないのです。
とまあ、言い切ってしまうのは、さすがにちょっと語弊があるかもしれませんが。
この辺をちゃんと語弊なく説明するためには、相対性理論と量子力学の成り立ちの違いについて説明するのがいいと思います。
相対性理論は、その基礎となる数式に明確な意味があります。これは相対性理論を発案したアルバート・アインシュタインが明確な意味を持たせたからです。相対性理論は、実験結果からというよりも、理論をキレイに整備することで発見されたという経緯があります。それゆえ、理論が体系的であり、何が原理であり、そしてそこから何が導き出されるのかということがはっきりしています。
それに対して、量子力学は、その基礎となる数式に明確な意味がありません。というのも、数式が発見された経緯が、実験結果をなんとかうまく再現しようと、数式をいじくった結果得られたものだったからです。従って、量子力学では、基礎となる数式の意味を後付けで考えることになりました。しかし、これがなかなかうまくいきませんでした。当時の頭のいい物理学者が何人も頭を悩ませ、議論は紛糾しました。
結局、現代の一般的な物理学者の見解となった考え方はこうです。
「物理現象を解析・予想できる数式があるのだからそれでいいではないか。万物の理論が人間に理解しやすいようにできているとは限らない。むしろ人間の解釈などというものは蛇足であり、人間の解釈を挟まずに特定の計算手順に従って結論を得るのが現代的な物理学なのである」
重要なのは、当時のとてつもなく頭のいい人たちが議論に議論を重ねた末、このような結論に至ったということです。この見解は、その後80年近く覆ることなく、量子力学の定説となっています。
隠れた変数理論
このような見解に、相対性理論の発案者であり、初期の量子力学に多大な貢献をしたアインシュタインは、納得がいきませんでした。今の量子力学には何か重要な部分が欠けており、こうした見解はそれを誤魔化しているように見えたからです。
量子力学の基礎方程式を提案した、シュレーディンガーもそれに同調しました。シュレーディンガーが今の量子力学に納得できず、問題提起するために発案したのがかの有名な「シュレーディンガーの猫」です。しかし、大多数の物理学者の同意を得ることはできませんでした。
アインシュタインやシュレーディンガーが考察した「現在の量子力学は未完成であり、実際にはまだ知られていない内部構造があり、数々の不可思議な量子の振る舞いはその内部構造の反映である」という考え方は、「隠れた変数理論」と呼ばれ、量子力学誕生から現在に至るまで、形を変えながらいろいろな人によって提案されてきました。しかし、どれも物理学の主流になることはなく、それゆえ近年ではむしろキワモノ扱いされてしまっています。
なにを隠そう自分も実は、「隠れた変数理論」が存在すると信じている1人です。なぜかと言われると説明できないのですが、自分の嗅覚がそう言っており、はっきりとした確信があります。
今後
このブログでは、自分の考える「隠れた変数理論」を紹介していきたいと思っています。まだ、未完成なので、いつになるかわかりませんが(w。
よろしくお願い致します。
【シリコーン型取り】ねんどろいどヘッド複製【5日目】
ねんどろいどヘッド複製、5日目です。今回はいろんなレジンで複製してみました。
まずは色付きレジンです。
ホワイトレジンにトナーを数滴混ぜて固めると、こんな感じで色が付きます。
割とあっさりとうまくいったのですが、よく見ると表面に無数の細かい気泡(?)のようなものが発生していました。
(クイックで拡大)
写真は白色に見えますが、肌色レジンです。なかなかうまく撮れなくて、めっちゃライトを当てて撮ってみたので、色飛びしてます。
クイックして拡大してみてください。写真ではものすごくわかりにくいですが、表面のたくさんのゴミみたいなものがそうです。あれはゴミが付着しているのではなく、小さな凹みになっています。
塗装すればわからなくなるレベルですが、そもそも塗装するなら色付きレジンの意味がないというね(^_^;)
これは今後の課題です。
もう一つ、透明レジンもやってみました。
ぶっちゃけこれはうまくいきませんでした。なぜが尋常じゃなく気泡が発生します。最初は混合するときに気泡が混ざってしまったのかと考えていましたが、そんなレベルじゃないです。明らかにガスが発生しています。
こんな感じで8割方気泡になってしまいます。
脱泡剤を使ってみたり、手動真空保存器を使ってみたりしましたが、全く効果がありません。
ネットで検索してみると、同じように失敗している人がたくさんいました。どうやら造形村の透明EXキャストは、真空脱泡機が前提のものらしいっぽいです。
・・・う~んどうしよう。真空チャンバーは前から欲しいと思っていたから、この際つくってしまおうかな~o(-_-;*)
【シリコーン型取り】ねんどろいどヘッド複製【4日目】
ねんどろいどヘッド複製、4日目です。今回はレジンキャストの流し込みを行います。この作業で複製の一通りの作業は完了になります。
前回完成したシリコーン型を使います。写真は輪ゴムで表裏の型をクランプしています。
レジンキャストは、他の材料と同様に造形村(ボークス)ブランドのものを使いました。というか秋葉原の造形屋さんにはこれしか置いてないですね。逆に東急ハンズには造形村ブランドのものは置いてないというw。もしかしたら中身はどちらも同じだったりするのかもしれませんが。とはいえ、素人があれこれ選定しても時間がかかるばかりなので、ボークスさんを信用して、造形村ブランドを一式そろえるという方針にしてます。
今回は動画を用意してみました。あんまりちゃんと説明してないですけど。動画編集に凝ってしまうと、いつまでたっても投稿できないんで、今回はこんなもんで。動画作成の練習も兼ねてます。
やっぱりいくら言葉をつくして説明したとしても、一本の動画にはかなわないですよね。圧倒的に情報量が違います。
というわけで、こんな感じで複製できました。
シリコーン型から取り出した状態。
いらない部分をカットして、バリをとれば完成です。
横からの図です。
遠心ファンの方も複製しました。
しかし、何カ所か空気が残ってしまい、穴が空いてしまいました。これは型の構造上の問題で、原型が薄い構造で構成されていることと空気の抜け道が確保されていないのが原因です。
しかも、薄すぎて型から取り出すときに曲がってしまいました。まあこの辺は完全に硬化してから取り出すとか対策すれば改善されるかもしれませんが、ここらへんも考えながら原型を設計しなきゃですね。
【シリコーン型取り】ねんどろいどヘッド複製【3日目】
ねんどろいどヘッド複製、3日目です。今回は原型の取り出しをします。これでシリコーン型は完成になります。
外枠のブロックを一つ一つ分解して、取り外していきます。
ブロックを全部取り外した状態。重ねていたブロックに隙間があるので、たくさんのいらない”ヒゲ”みたいなものがついてます。
ハサミで周囲をチョキチョキと切ってやると、キレイになります。
いよいよ型を取り出します。結構手間がかかってるので、うまくいっているか緊張の瞬間です。ペリペリという剥がれる音が気持ちいいです。
<コツ>というか心構えとしてはあまり完璧を期待しないこと。うまくいったらもうけものという気持ちで。初心者なんだから多くを望んだら、バチが当たります。
パカっといい感じに割れました。お前は桃太郎か。
よくぞ無事に戻ってきてくれた。感動(*ノ∀`*)
完成したシリコーン型です。我ながら、今回はうまくいきました。失敗してたら、3日くらいの苦労が水の泡ですからね。これはもう神に感謝です。
遠心ファンの方も悪くない感じです。レジンがうまく流れてくれるか不安ですが、なんとかなりそう。
というわけで、今回はこれまで。